1.はじめに
WRO JAPAN ミドル競技は、WRO レギュラーカテゴリのエキスパート競技につなぐ競技であり、ロボットを作るために大事な基本技術(ラインの検知、ライントレース、色の判断、オブジェクトの運搬など)を取り入れ、ロボット製作の中級者を対象とした競技になっています。小学生、中学生、高校生が、同じフィールドでロボットの製作やプログラム制御の基礎技術を確認する内容になっています。
2.競技フィールド
- 競技フィールドは,外寸900×1800mmのサイズで製作する.コースの周りには壁はない.
- Japan決勝大会では,競技フィールドはシート素材のスタンダードターポリンを利用する.
- Japan決勝大会では,競技フィールド内の黒ゾーンや黒ラインは(C,M,Y,K)→(0,0,0,100),茶色ラインは(C,M,Y,K)→(40,65,90,35)で印刷している.
- Japan決勝大会では,競技フィールドのシートは台の上に乗せ,平坦な場所に設置し,動かないように固定している.ただし,競技フィールドの段差,うねり,歪み等の誤差±5mmまで許容範囲とする.
- 競技フィールドのサイズは図1(WRO JAPAN 2018 ミドル フィールド)に示す.
- 競技フィールドには,黒ゾーン(1~4),黒ライン(1~4),カラータイル(1~4)がある.
- 図1の黒ゾーン1と黒ゾーン2を結ぶライン上のカラータイル(1~4)は,100×20mmのカッティングシートで,60mm間隔で黒ラインの中央に貼りつけられている.それぞれのカラータイルの色は各ラウンドの車検終了後に赤2枚,青1枚,黄色2枚の合計5枚の中から4枚をカラータイル1から4の順に引いていく.カラータイルには中川ケミカル製カッティングシート(赤:137,青:523,黄:311)を使用する.
- 黒ライン上にある黒い四角から50mm離れたところの黒ライン中央に赤色のカラーマーカー(100×20mm)が張り付けてある.
- 図1の中のオレンジ色で表されている枠(実際は審判が確認しやすいように鉛筆で記入)の中には図2に示すブロック壁,もしくは,オレンジ色の枠内の黒色の四角の中に図3に示すオブジェクトが設置される.
図2 ブロック壁(2×4の白,青,緑,黒ブロック24個で構成)
3.ロボットの規程(レギュラーカテゴリ―共通ルールも必ず確認すること)
-
- ロボットは教育用 LEGO MINDSTROMS NXT あるいは EV3 基本セット(どちらか1セットのみ)に含まれているパーツで作製すること.
- カラータイルはカッティングシートで作り,フィールドに貼付けられているため,その厚みを考えてロボットを作成すること.
- 競技ルール内に記載されている「ロボット本体」とは NXT をあるいは EV3 本体を指している.
4.ミドル競技ミッション
スタート後に 4 つのカラータイルの色を読み取り、オブジェクトをカラータイルの色ごとに指定されたエリアへ運んで、ゴールへ入る競技です。
- スタートエリアからロボットがスタートする。
- 黒ゾーン 1 と黒ゾーン 2 を結ぶライン上に 4 枚のカラータイル(1~4)があり、それらは、縦の黒ライン(1~4)にそれぞれ対応している。
- 黒ライン1~4には、順に白、青、緑、黒の色のオブジェクト(図 3)やブロック壁(図 4)が設置される。
- 車検後に抽選したカラータイルの色が赤色だった場合、そのカラータイルに対応する黒ラインの図の下側(黒ゾーン 1 側)の黒の四角(50×50mm)内に図 3 のようなオブジェクトを設置し、同じ黒ライン上の上側(黒ゾーン 2 側)のオレンジ色で表されている枠内に図 2 のようなブロック壁を設置する。
- 車検後に抽選したカラータイルの色が黄色だった場合、そのカラータイルに対応する黒ラインの図の上側(黒ゾーン2側)の黒の四角(50×50mm)内に図 3 のようなオブジェクトを設置し、同じ黒ライン上の下側(黒ゾーン1側)のオレンジ色で表されている枠内に図 2 のようなブロック壁を設置する。
- 車検後に抽選したカラータイルの色が青色だった場合、そのカラータイルに対応する黒ラインの図の両側の黒の四角(50×50mm)内に図 3 のようなオブジェクトを設置する.
- カラータイルが赤や黄色の場合、そのカラータイルに対応する黒ライン上にあるオブジェクトを同じ黒ライン上にあるブロック壁の中に運び入れる.カラータイルが青の場合は、図中上側と下側の黒の四角内のオブジェクトを移動させてはいけない。
- チームは、それぞれのオブジェクトやブロック壁は、底面全体がフィールドに接していて、指定された範囲内であれば、どのように置いてもかまわない.
- 4 枚のカラータイルの中に青のカラータイルがあった場合、ゴールエリア 1(黒ゾーン 3)がゴール位置となり、青のカラータイルがなかった場合は、ゴールエリア 2(黒ゾーン 4)がゴール位置となる.
- ロボット本体(NXT、または EV3 本体)が完全に指定されたゴールエリアに入り、かつ、審判が静止したことを宣言してから 3 秒間静止していたとき、ミッションは終了とする.ここで、完全にとは、フィールドを真上から見たとき、ロボット本体がゴールエリアの内側に入っていることを指す。
- 競技と競技時間は、次の場合に終了する。
A) ロボット本体が完全に指定されたゴールエリアに入り、3 秒間静止したとき
B) スタート後、選手がロボットやフィールド、フィールド上のオブジェクトなどに触れたとき
C) 競技時間が 2 分を超えたとき
D) ロボット本体がフィールドの外側に完全に出てしまったとき
E) ロボットがフィールド内に復帰できなくなったとき
F) 選手からのリタイアの宣言があったとき
G) このルールブックや共通ルールブックで説明している内容に違反したとき
5.ポイントについて
ポイント1. オブジェクトが壊れず、指定されたエリアに完全(オブジェクトの底面全体がフィールドに接触している)に入っている。 |
各20点 |
ポイント2. オブジェクトが壊れず、指定されたエリアに完全ではないが入っている(オブジェクトの底面の一部がエリア内のフィールドに接している) |
各10点 |
ポイント3. 青のカラータイルで指定された黒ライン上のオブジェクトの底面全体がフィールドに接していて、黒の四角内に底面全体が留まっている。(1、2、5いずれかのポイントが取れている場合のみ与えられる) |
各10点 |
ポイント4. ロボット本体全体が指定されたゴールエリアに入り3秒間静止(1、2、5いずれかのポイントが取れている場合のみ与えられる) |
20点 |
ポイント5. サプライズルール(大会当日の朝に発表) |
20点 |
ポイント6. ブロック壁が壊れた、または、ブロック壁がゾーンからはみ出した。 |
各-10点 |
満点 | 120点 |
5.1 ポイント例
5.1.1 ポイント1の場合(20点)
5.1.2 ポイント2の場合(10点)
5.1.3 ポイント1,2以外の場合(0点)
・オブジェクトの底面がフィールドに触れていない
・オブジェクトが壊れている
5.1.4 ポイント3の場合(10点)
5.1.5 ポイント3以外の場合(0点)
6.その他
6.1 オブジェクト
オブジェクトは,赤色または黄色の2×4ブロック10個と1×6ブロック8個,および,白,青,緑,黒色の2×4ブロックいずれか1個で製作する.
6.2 オブジェクトの作り方
- 2×4ブロックを2個ずつ交差するように5段積み上げる.
- 1×6ブロックの2ポッチだけ①の上部に付ける.
- 左右4本ずつの1×6ブロックの中央に2×4ブロックを付ける.
6.3 ブロック壁の作り方
- 2×4ブロックを1段目と2段目で2×2ポッチ付ける