WRO JAPAN ミドル競技は,WRO レギュラーカテゴリのエキスパート競技につなぐ競技でありロボットを作るために大事な基本技術(ライントレース,色の判断,つかむ機能など)を取り入れ,ロボット製作の初級者を対象とした競技になっています。小学生,中学生,高校生が,同じフィールドでロボットの製作やプログラム制御の基礎技術を確認する内容になっています。
競技フィールド
1.競技フィールドは,外寸 900×1800mm の白地の合板で製作する。
2. 競技フィールド内の黒ラインは,中川ケミカル製カッティングシート(791)で作製する
ライントレース区間でライントレースによる移動
※ ゾーン 1 にロボット本体が完全に入ったら成功とみなす
3.競技フィールドのサイズは図 3(WRO JAPAN 2017 ミドル フィールド)に示す。
4.競技フィールドの外枠,および,コート内壁は,高さ 100mm,厚さ 10mm である。
5. 黒ゾーン B 中央にある円柱(図 1)は,直径 50mm 高さ 100mm の木製の円柱であり,コートに固定されている。
6.図3 のゾーン 1 にあるカラータイル 1 は,100×20mm のカッティングシートで,奥側の壁から 50mm 離れたところの中央に貼りつける.また,カラータイル 2 は,100×20mm のカッティングシートで,タイル 1 から 50mm 離れたところの中央に貼りつける。それぞれのカラータイルの色は車検終了後に 3 色(赤・青・黄)から抽選で決定する.カラータイルには中川ケミカル製カッティングシート(赤:137,青:523,黄:311)を使用する。
7. 図 3 中のオレンジ色で表しているスタートエリアの出口からゾーン 1 の入り口まではライントレース区間とし、実際には黒色のラインで表される.ライントレース区間のラインは次の条件の下,大会当日の朝に発表される(図中のラインは例である)。
【条件】
- ラインの形状は,半径 75mm以上の曲線,または直線で構成される。
- ラインの位置(ライン中心線)は,どの壁からも最低 170mm は離れている。
- 直線と別の角度の直線が連続することはない(曲がる部分は必ず曲線である)。
8. ゾーン A~C には幅 20mm の壁ゾーン(図では灰色で表しているが,実際は壁ゾーンの枠のみ鉛筆書き)があり,カラータイル 1 の色で指定されたゾーンの壁ゾーン中央に図 2 のようなブロック壁が設置される(ブロック壁は,ロボットがスタートエリアを出たときからライントレース区間を通過している間(ゾーン 1 にロボット本体が入る前まで)に選手が設置する)。
ロボットの規程
1.ロボットはスタート時に 250×250×250mm 以内とし,スタート後は自動変形しても良い。
2. ロボットは LEGO MINDSTROMS NXT あるいは EV3 基本セット(どちらか1セットのみ)に含まれているパーツで作製すること。
1) NXT を使用する場合は、付属の光センサを LEGO 社製カラーセンサ、または,Hi-Technic社製カラーセンサに置き換えることができる。
2) EV3 を使用する場合は、モータポートは最大3個までとし、ジャイロセンサは使用してはいけない。
3. プログラムは ROBOLAB、NXT ソフトウエアあるいは、EV3 ソフトウエアを使用して作成すること。ただし、高校生に限り、Lab View を用いて作成しても良い。
4. 競技フィールドのスタートからゾーン1までのライントレース区間では,ロボットはライントレースしなければならない.ライントレースはライントレース規程を参照。
5. 黒ラインや黒ゾーンや円形ゾーンなどはカッティングシートで作り,フィールドに貼付けられているため,その厚みを考えてロボットを作成すること。また、競技フィールドは2分割(900×900mm のサイズで分割)で作製しているため、その段差も考えてロボットを製作すること。
6. 競技ルール内に記載されている「ロボット本体」とは NXT をあるいは EV3 本体を指している。
7. NXT ブロックの”Software Files”フォルダー内に,”run2017”という名称をつけたプログラム1つだけ、または EV3 ブロックには project ひとつしか入れてはならない。プロジェクト名は”WRO2017”、実行ファイルの名称は”run2017”でなければならない。
ミッション
1. ゾーン B(スタートエリア)からロボットがスタートし,ライントレースをしてゾーン1に移動する。
2. ゾーン1には、2 枚のカラータイルがある。カラータイル 1 はロボットがオブジェクトを運ぶゾーン、カラータイル2はロボットが戻るべきゴールエリアの位置を示している。このとき、カラータイル 1 とカラータイル 2 が同じ色だった場合、ゴールエリアはゾーン 1 となる。
3. ロボット本体(NXT,または EV3 本体)が完全にゾーン1に入ったあと、黒ゾーン B に移動し、円柱の上にあるオブジェクト(図 4)をカラータイル 1 で指定されている色のゾーンの中に完全に運び入れ、カラータイル 2 で指定されたゴールエリアに移動する。このとき,オブジェクトを運ぶゾーンの壁ゾーンに設置されているブロック壁を壊したり、ブロック壁を壁ゾーンからはみ出させてはいけない。
4. 本体(NXT,または EV3 本体)が完全にゴールエリアに入り、どの壁にも触れずに 3 秒間静止し、ミッションは終了とする。
ポイント
ライントレース区間でライントレースによる移動 ※ ゾーン 1 にロボット本体が完全に入ったら成功とみなす |
20 |
円柱上からオブジェクトの除去 | 20 |
オブジェクトが指定されたエリアに完全に入っている(壁ゾーン上は含まない) | 20 |
ロボット本体全体がゴールゾーンに入り3秒間静止 | 20 |
サプライズルール(大会当日の朝に発表) | 20 |
ブロック壁が壊れた、または、ブロック壁が壁ゾーンからはみ出した | -10 |
満点 | 100 |
順位
2ラウンド走らせて獲得したポイントの高い方で順位を決定する。ただし、ポイントが同点の場合は、競技タイム(スタートからゴールまでの経過時間)をもとに順位を決定する。
その他
オブジェクト
オブジェクトは,赤色の 2×4 ブロックを 4 個で製作する。
ライントレース規程
ラインをトレースしていないとは、ロボットの接地部分(タイヤ等)すべてが黒ラインの片側にある場合とする。それ以外の場合は,ラインをトレースしているとみなす。